脱窒すると重炭酸が生成!KH上昇は硝酸添加量次第

脱窒すると重炭酸が生成!KH上昇は硝酸添加量次第

最近、ZOOX ネクストジェネレーション バイオメディアが好評で最強ろ材として取り上げられ、その影響もあってか水草水槽に脱窒システムの構築に取り組もうとされている方がチラホラと見受けられます。

筆者もそのうちの一人で脱窒システムを採用し、コケをかなり抑制できることに一時喜んだわけです。

ところが脱窒するとじわじわとKHが上昇してきたのです。1日当たり約0.04~0. 14dkhぐらい上昇します。

脱窒すると重炭酸イオンが発生!

筆者は2025年の9月から脱窒を採用していたのですが、何が原因でKHが上昇しているのかず~~っと全く見当がつきませんでした。

リン酸吸着材や底床肥料などもKH上昇の犯人だったわけですが、それらを取り除いたり、中和しても毎日微妙に上昇。

でようやくその犯人が見つかったわけですが、まさか脱窒が原因だとは夢にも思いませんでした。

一見健康そうに見えますが、全体的に白化しています。CO₂添加時にKH上昇するとこのような症状がよく発現します。

APT3を5プッシュでKHがいくら上昇しphkhマイナスがどれぐらい必要かざっくり計算して投与

さて、問題は脱窒そのもではなく、その副産物である重炭酸イオンをphkhマイナスでどう中和していくかだ。脱窒による恩恵はかなり大きい。底床肥料ガンガン入れたり、植え替えで肥料が水中に舞ったりしても水草にはもちろん、ガラス面にさえコケが付着しなくなった。一方、KHの変動は面倒ではあるけどphkhマイナスでいくらでも調整できる。

脱窒による重炭酸の生成量は「硝酸1molに対し、約0.76mol ~1mol」ぐらいだそうだ。

・重炭酸は1mol 質量61.01g

・硝酸は1mol 質量63.01g

APT3を5プッシュすると180mgの硝酸が投与されることになる。

180mgの硝酸が投与されたとき脱窒で生成される重炭酸の生成量は132mg~174mgとなる。

筆者の水槽の水量は113ℓ(砂利たくさん敷いてるので)

なので重炭酸の濃度は1.168ppm~1.54ppmとなり、ドイツ硬度は17.8ppmなので

1.168÷17.8=0.0656dKH

1.54÷17.8=0.0865dKH

113ℓの水量に硝酸180mg投与で約0.06~0.09dKHぐらいの変動となる。

実際にはATP3×5プッシュ(硝酸180mg投与)で約0.04~0.14dkhの上昇だったが底床やエサからの硝酸流出もあるのかもしれない。

これぐらいのKH変動だとソイルならマスクされて到底分からないと思いますが、砂利底床だとCO₂添加したとたんモロに白化してきます。

筆者の水槽は0.23dKH下げるのにphkhマイナスが約5ml必要なので(これは今までの投与量データから導き出した数値)

=毎日phkhマイナス1.2ml~1.8ml(底床などの流出分含めたら2mlいるかも)を添加すればおおよそKHを安定させることが出来る。(と思う……)

一体いつになったらphkhマイナス使わずに済むことやら。

解決策は尿素肥料!?じつは尿素は硝酸より優れた肥料です

じつはこの記事を書く前に一つだけ解決案を思いついていた。

ここから先の内容はまだ試していませんが、近いうちに実践して報告が出来たらなと思っています。

さて、脱窒すると重炭酸が生成してしまうのですが、それはあくまで窒素源が「硝酸」であった場合の話。

atp3を投与する以上硝酸は必ず添加されます。

ならば「ATP ZEROと尿素」の組み合わせで良いのでは?と筆者は考えています。

尿素は硝酸よりも優れた点がいくつかあります。

・尿素は硝酸よりも圧倒的に吸収力が高い

尿素は電気的に中性だし、分子量も小さいのでクチクラ層をすんなり通過できます。クチクラの発達していない水草であればさらに吸収速度は速い。

・尿素は硝酸よりも同化が速く、しかもエネルギーロスが硝酸より小さい

尿素は葉面から吸収されるとウレアーゼ酵素によってアンモニア→即アミノ酸へと同化されます。

硝酸はエネルギーを使って一度アンモニアに変換する必要があり同化遅延とエネルギーロスが発生する。

なので同じ量の窒素投与ならロタラなどはエネルギーロスの小さい尿素の方が赤くなりやすいし、同化速度も速いので葉緑素の形成が速くなりさらに赤くなりやすくなるということになります。

このように尿素は硝酸と違いだらだらと水槽内に残ることがないので硝酸と同じ窒素添加量ならコケが増えにくいし、硝酸に変換されていく前に尿素として水草に吸収されてしまう量が多いので脱窒菌に利用されることも阻止できる。(と考えています)

ちなみに

・硝酸の窒素含量:22.2%

・尿素の窒素含量:46%

なので、ATP3(ATP COMP)と同じ濃度にしたい場合は水1リットルに対し、尿素17.3g混ぜれば(本当は水982.7mlだが)良いです。

ただ、もし、尿素が水草の吸収よりもバクテリアによる硝酸への変換が速かった場合はこの方法は使えないですね。これが一番心配なのですが実践で試してみるしかありません。